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osaki / togoshi-ginza

2013/06/22 Göbekli Tepe Live

open/19:30 start/20:00

¥1500+1 drink order

 

Göbekli Tepe

中野静佳(キーボード操作)

坂本拓也(プロジェクター、立体楽譜操作)

 

ゲスト:平野敏久(雰囲気)

 

 

 

2013/07/07 エレクトロニクス制作講座合宿

2013/07/06 エレクトロニクス制作講座合宿

2013/06/16 pro·gram 110:「アルゴリズム その4」

18:00〜21:00 ドリンク代のみ 

簡単なプログラムを組んでみよう。
何百万人が使うようなソフトウェアのプログラムを書くには多くの知識と経験が必要ですが、とりあえず自分用に動けばいいプログラムを書くにはそんなに多くの知識が必要になるわけではありません。この講座では、プログラムのごく基本的な要素だけを使い、どのようなプログラムを組むことができるかを実践してみます。実際的な質問がある方は、聞いていただければわかる範囲でお答えします。

対象: プログラミングを全くやったことのない方。これからプログラムを使って何かやってみようと思ってる方。ちょっとやってみたけど「わかんないし!」と諦めてしまった人。話だけ聞いてみようという方。最近講座行ってないからもう追いつけないんじゃないかな?と思ってる方。

コンピューターは不要ですが、ノートパソコンをお持ちの方はご持参いただいても結構です(その場合は予めProcessingをインストールしておいてください https://processing.org/download/)。

講師: 大田暁雄
https://esporre.net
1981年生。美術大学在学時にプログラミングを使った作品を制作し始め、徐々に仕事でも使うようになる。言語としてはC++、Objective-C、ActionScriptなどをよく使います。鈴木學氏のエレクトロニクス制作講座にも出没中。

講座ホームページ https://esporre.net/program/

2013/06/08 イグノラムス・イグノラビムス ミュージック Chapter10

開場/19:30 開演/20:00 料金/1500円+1ドリンク
Ignoramus et Ignorabimus musica. We do not know the music and we will not know it.
我々は音楽について何も知らないし、この先も知りえることはないだろう。
木下和重 violin etc.
鈴木學  electronics etc.

Q. 『イグノラムス・イグノラビムス ミュージック』とは?

A. 『音楽』ってなんだろう?』と考えていても、答えなんか出やしないだろう。』 と思っていたら、昔読んだ本の中にあった『イグノラムス・イグノラビムス』 なんて言葉を思い出して、企画の名前にした。 行動を起こしても答えが出るわけではないが、 『イグノラムス・イグノラビムス ミュージック』は『『音楽』ってなんだろう?』 という問いに対する私の行為である。[鈴木學]

Q. ということは、音楽とは何か?っていう問いの答えを演奏する場がイグイグなんですね。

A. そうですね。でも、一般に音楽と言われる形態でアプローチを試みる場合(私ならヴァイオリンを、鈴木さんならエレクトロニクスを演奏)もあれば、そうでない場合もあります。例えば、黒髭危機一髪をやったり、卓球をやったり、手品をしたり、催眠術をしたり。。とまぁ、一見音楽とは関係なさそうなものの中から、音楽を考えるというプレゼンテーションも過去にはありました。[木下和重]

Q. え……(絶句)。卓球ですか??音楽とは何の関係があるんですか??

A. 音楽とは何かっていう音楽の根源を問い直す作業を、既存の音楽フォーマットではないものを用いてアプローチをする方法の一つです。楽しいですよ、卓球(笑)[木下和重]

Q. ていうか、卓球やりますよ~つってお客さんなんか来ないっしょ??

A. あたたたたた!痛いとこ突きますね。イグイグは、出し物の内容自体が重要な要素になってるので、事前にお知らせする事はできないんですよね。ネタバレ禁止!(中野浩一リスペクト)[木下和重]

Q. お前はケンシロウか!と、一応つっこませて頂きます。では、イグイグの告知は難しいですね。

A. そう!だから、何かしら事前にお客さんの理解のリードとなるようなものが必要なんじゃないかと思って、今回からテーマを設けることにしたんです。毎回異なるテーマに基づいて、イグイグるんです。それで、お!どんなことするんだろう?!って興味を持ってくれたら幸いです。[木下和重]

大掛かりなアニバーサリー的なイベントもいいでしょうが、こういった小さな試みの積み重ねが大切であって、この体験が音楽だけでなく、人生を楽しむ手掛かりにもなればと思っているんです。[木下和重]

2013/07/26 jean-luc guionnet ,lotus eddé khouri ,木下和重,村山政二朗,神田聡

open 19:30 start 20:00
charge 1,500yen (+1drink)

1、木下和重ソロ
2、jean-luc guionnet ジャン=リュック・ギオネ(alto sax)+ lotus eddé khouri ロテュス=エッデ・クウリ(danse)デュオ
3、木下+ギオネ+村山政二朗(パーカッション)+神田聡(物)

2013/05/04 須貝 吏、平野敏久、坂本 拓也

須貝仮面

2013/06/29 archetype “collinear points “

open 19:00 start 19:30
charge 1,500yen (+1drink)

 

improvisation#1 【伊藤匠(Tenor Sax,Feedback) + S/T(Synthesizer,Drone) +DeAthAnovA(Drums,Feedback)】

improvisation#2 【今井和雄 + DeAthAnovA】

composition【渡辺英貴(Drums) + 谷口圭祐(Contrabass) + DeAthAnovA(Drums)】

2013/05/25 archetype “Is it audible ? “

open&start 19:00

charge 1,500yen (+1drink)

archetype synthesizer orchestra 【野本直輝、小川直人、荻野和夫、DJ Peaky、ホサカアカネ、waka to mori、DeAthAnovA】

2013/08/11実験音楽スクール最終回

13時〜16時
料金;受講生2000円 + ドリンク (単発の見学は1500円 + ドリンク)

 

実験音楽スクールもとうとう最終回。コンサート(に近い)形式で、受講生のみなさんの作曲作品を演奏します。私も曲を作ります。といっても、今までのスクールでも半分の時間は 、受講生の作品発表およびその演奏にあててきました。けれど、それを聴く人が我々以外いなかった。これまでに単発参加してくれたお客さんはわずか一名。
みなさんの作る作品は、えっ、よくこんなこと思いつくなあ、それは考えたことこともなかった、というのが多くて、驚かされっぱなしです。笑いを禁じ得ない、最高にくだならい作品もありました。でも、タイトルも含め、よく練られてるんだなあ。とにかく、色んなことに気づかされた。学んでいるのはむしろ私のほうでしょう。
最終回、見学に来てください。(杉本拓)

2013/07/28 実験音楽スクール/杉本拓

13時〜16時
料金;受講生2000円 + ドリンク (単発の見学は1500円 + ドリンク)

 

 今回やってみたいことを少し具体的に書いてみます。やることは、演奏と作曲。そしてそれについて考えること。完全な即興演奏はやらないつもりです。参加者には何か楽器をひとつ(または複数)やってもらいます。ギターでもタンバリンでもハーモニカでもなんでもかまわないのですが、今回は所謂楽器でないもの、例えば、ターンテーブルとかエレクトロニクスなんかはなしにしましょう。途中から気が変わる可能性もありますが、最初はなしということでいきます。最終目標は、──これは“ヴァンデルヴァイザー”のあり方を踏襲しているのですが──、参加者でバンドを作ってもらい、メンバーの作る楽曲をそのバンドで演奏する事です。こういう目論みがあるので、単発の参加では困るのです。その準備としてのカリキュラムは以下のようなものになる予定です。

 図形楽譜

 テキスト・ピース

 その他(五線譜に書かれたもの等)

 ファウンド・オブジェのための曲

 楽器の特性を生かした曲

 とりあえず思いつくのはこんなところですが、順番にひとつづつやるとは決まってなくて、行きつ戻りつ進行する可能性が大です。成りゆき任せの展開もあるでしょう。それぞれ、作曲と演奏のふたつの方向からせめていくつもりです。演奏してもらう曲はこちらで用意します。五線譜に記譜されたものはなるべく簡単なものを用意するつもりです(そういうものしか持ってないというのもありますが)。五線譜にまったく縁のなかった人もいるかもしれませんが、その場合は何かうまい方法を考えて対応したいと思ってます。通常の意味において演奏が困難なものはやりません。また、そういうものを作る事も推奨しないつもりです。その理由は、今までまったく演奏体験を持たない人もいるかもしれないし、難しい曲を練習している時間がない、という実際的なものです。そういうものではなくて、誰でも(というのは語弊がありますが)演奏が出来て、なおかつ別の意味で集中が必要で、そして意義深い、そういうものの方に実験音楽のエッセンスがあると思うからでもあります。しかし、まあ、どうなるかは分かりません。

 

 “実験音楽スクール”について

 何であれ──アカデミックか商業的なものは除いて──「実験音楽」はカネにならない。演奏家であれ、批評家であれ、オーガナイザーであれ、レーベル・オーナーであれ、「実験音楽」だけでメシは食えない。少なくとも日本では、それだけに関わっていて生計を立てることはほとんど不可能に思える。自分を例にあげると、私は、演奏は言わずもがな、レーベル経営の他に、コンサートを企画もするし、文章だって書いている。にも関わらず、まったく儲からなかったし、そうなる予感もない。身の回りを見ても、事情は同じだ。「金にならない」は「実験音楽」の必要条件だと言いたくなるくらいである。

 では、アメリカやヨーロッパ等ではどうか? どうやら現状は厳しそうである。以前だったら──特にヨーロッパでは──、国や市からの助成があり、それが音楽家の生活や非営利の演奏会場の運営を支え、また’フェスティヴァルも盛んであったが、多くの助成が次々に打ち切られている様子である。ヨーロッパの友人達は口々にそのことを憂えているし、いくつかの非営利組織からは助成打ち切りに反対する署名や寄付を募るメールが良く来るようになった。

 グローバルな観点からも、「実験音楽」がこれからますます斜陽産業になることは間違いない。この世界において、世間で言うところの「プロ」は極少数になるだろう。──まあ、もとよりそれは「産業」なんかではないが。

 しかし、だからと言って、実験音楽に関わることが単なる暇つぶしを超えない、とは思わない。それはもはや私にはなくてはならないものである。極端な話ではあるが、その他の音楽が地上から消え去ったとしても、それがあることによって救われる、実験音楽は私にとってそういうものなってしまった。もちろん、多くの音楽はそう簡単には消え去ったりはしない。それに、それらの音楽のおかげで実験音楽が成立している部分だってある。他のものを完全に否定する必要はまったくない。音楽に限らず、多くのものとの関係の中にこそ重要な何かがあるのではないか? ここを考えてみると、実験音楽ほど面白いものはないのである。それは一生を賭けるに値するテーマになりえる。

 しかし、正直私もお金がほしい。そこでこんな企画を考えてしまったのである。うまいぐあいに人が集まれば、多少の現金が懐にはいる。だが、うまくいかない気がしないでもない。ひとりも来ない可能性すらあると私は思っている。なにしろ「実験音楽」はカネにならないのだから。次の問題はどうやって教えるかである。結論を先に言うと、どうやっても「教える」ことは出来ない。作曲するにしても、演奏するにしても、そこで模範となるものが何なのか、それがはっきりしないからである。つまり、良し悪しの判定が難しい(あるいは、究極的には、そんなことはする必要がないとも言える)。しかもそれは「音楽」の中でだけ完結するようなものではない。最終的には自分で考えて実践するしかない。ただ長年の経験からアイデア──それは当然ある種の偏りを持つ──をいくつか提示することは出来ると思っている。それは、何もない空間に窓を作ったり、椅子や机を置いたり、電灯を灯したりするようなことかもしれない。まずはそれらによって生じる景色を足がかりにしてスクールを始めてみたい。(杉本拓)

2013/06/23 実験音楽スクール

18時〜21時
料金;受講生2000円 + ドリンク (単発の見学は1500円 + ドリンク)

 

 今回やってみたいことを少し具体的に書いてみます。やることは、演奏と作曲。そしてそれについて考えること。完全な即興演奏はやらないつもりです。参加者には何か楽器をひとつ(または複数)やってもらいます。ギターでもタンバリンでもハーモニカでもなんでもかまわないのですが、今回は所謂楽器でないもの、例えば、ターンテーブルとかエレクトロニクスなんかはなしにしましょう。途中から気が変わる可能性もありますが、最初はなしということでいきます。最終目標は、──これは“ヴァンデルヴァイザー”のあり方を踏襲しているのですが──、参加者でバンドを作ってもらい、メンバーの作る楽曲をそのバンドで演奏する事です。こういう目論みがあるので、単発の参加では困るのです。その準備としてのカリキュラムは以下のようなものになる予定です。

 図形楽譜

 テキスト・ピース

 その他(五線譜に書かれたもの等)

 ファウンド・オブジェのための曲

 楽器の特性を生かした曲

 とりあえず思いつくのはこんなところですが、順番にひとつづつやるとは決まってなくて、行きつ戻りつ進行する可能性が大です。成りゆき任せの展開もあるでしょう。それぞれ、作曲と演奏のふたつの方向からせめていくつもりです。演奏してもらう曲はこちらで用意します。五線譜に記譜されたものはなるべく簡単なものを用意するつもりです(そういうものしか持ってないというのもありますが)。五線譜にまったく縁のなかった人もいるかもしれませんが、その場合は何かうまい方法を考えて対応したいと思ってます。通常の意味において演奏が困難なものはやりません。また、そういうものを作る事も推奨しないつもりです。その理由は、今までまったく演奏体験を持たない人もいるかもしれないし、難しい曲を練習している時間がない、という実際的なものです。そういうものではなくて、誰でも(というのは語弊がありますが)演奏が出来て、なおかつ別の意味で集中が必要で、そして意義深い、そういうものの方に実験音楽のエッセンスがあると思うからでもあります。しかし、まあ、どうなるかは分かりません。

 

 “実験音楽スクール”について

 何であれ──アカデミックか商業的なものは除いて──「実験音楽」はカネにならない。演奏家であれ、批評家であれ、オーガナイザーであれ、レーベル・オーナーであれ、「実験音楽」だけでメシは食えない。少なくとも日本では、それだけに関わっていて生計を立てることはほとんど不可能に思える。自分を例にあげると、私は、演奏は言わずもがな、レーベル経営の他に、コンサートを企画もするし、文章だって書いている。にも関わらず、まったく儲からなかったし、そうなる予感もない。身の回りを見ても、事情は同じだ。「金にならない」は「実験音楽」の必要条件だと言いたくなるくらいである。

 では、アメリカやヨーロッパ等ではどうか? どうやら現状は厳しそうである。以前だったら──特にヨーロッパでは──、国や市からの助成があり、それが音楽家の生活や非営利の演奏会場の運営を支え、また’フェスティヴァルも盛んであったが、多くの助成が次々に打ち切られている様子である。ヨーロッパの友人達は口々にそのことを憂えているし、いくつかの非営利組織からは助成打ち切りに反対する署名や寄付を募るメールが良く来るようになった。

 グローバルな観点からも、「実験音楽」がこれからますます斜陽産業になることは間違いない。この世界において、世間で言うところの「プロ」は極少数になるだろう。──まあ、もとよりそれは「産業」なんかではないが。

 しかし、だからと言って、実験音楽に関わることが単なる暇つぶしを超えない、とは思わない。それはもはや私にはなくてはならないものである。極端な話ではあるが、その他の音楽が地上から消え去ったとしても、それがあることによって救われる、実験音楽は私にとってそういうものなってしまった。もちろん、多くの音楽はそう簡単には消え去ったりはしない。それに、それらの音楽のおかげで実験音楽が成立している部分だってある。他のものを完全に否定する必要はまったくない。音楽に限らず、多くのものとの関係の中にこそ重要な何かがあるのではないか? ここを考えてみると、実験音楽ほど面白いものはないのである。それは一生を賭けるに値するテーマになりえる。

 しかし、正直私もお金がほしい。そこでこんな企画を考えてしまったのである。うまいぐあいに人が集まれば、多少の現金が懐にはいる。だが、うまくいかない気がしないでもない。ひとりも来ない可能性すらあると私は思っている。なにしろ「実験音楽」はカネにならないのだから。次の問題はどうやって教えるかである。結論を先に言うと、どうやっても「教える」ことは出来ない。作曲するにしても、演奏するにしても、そこで模範となるものが何なのか、それがはっきりしないからである。つまり、良し悪しの判定が難しい(あるいは、究極的には、そんなことはする必要がないとも言える)。しかもそれは「音楽」の中でだけ完結するようなものではない。最終的には自分で考えて実践するしかない。ただ長年の経験からアイデア──それは当然ある種の偏りを持つ──をいくつか提示することは出来ると思っている。それは、何もない空間に窓を作ったり、椅子や机を置いたり、電灯を灯したりするようなことかもしれない。まずはそれらによって生じる景色を足がかりにしてスクールを始めてみたい。(杉本拓)

2013/06/09 実験音楽スクール

13時〜16時
料金;受講生2000円 + ドリンク (単発の見学は1500円 + ドリンク)

 

 今回やってみたいことを少し具体的に書いてみます。やることは、演奏と作曲。そしてそれについて考えること。完全な即興演奏はやらないつもりです。参加者には何か楽器をひとつ(または複数)やってもらいます。ギターでもタンバリンでもハーモニカでもなんでもかまわないのですが、今回は所謂楽器でないもの、例えば、ターンテーブルとかエレクトロニクスなんかはなしにしましょう。途中から気が変わる可能性もありますが、最初はなしということでいきます。最終目標は、──これは“ヴァンデルヴァイザー”のあり方を踏襲しているのですが──、参加者でバンドを作ってもらい、メンバーの作る楽曲をそのバンドで演奏する事です。こういう目論みがあるので、単発の参加では困るのです。その準備としてのカリキュラムは以下のようなものになる予定です。

 図形楽譜

 テキスト・ピース

 その他(五線譜に書かれたもの等)

 ファウンド・オブジェのための曲

 楽器の特性を生かした曲

 とりあえず思いつくのはこんなところですが、順番にひとつづつやるとは決まってなくて、行きつ戻りつ進行する可能性が大です。成りゆき任せの展開もあるでしょう。それぞれ、作曲と演奏のふたつの方向からせめていくつもりです。演奏してもらう曲はこちらで用意します。五線譜に記譜されたものはなるべく簡単なものを用意するつもりです(そういうものしか持ってないというのもありますが)。五線譜にまったく縁のなかった人もいるかもしれませんが、その場合は何かうまい方法を考えて対応したいと思ってます。通常の意味において演奏が困難なものはやりません。また、そういうものを作る事も推奨しないつもりです。その理由は、今までまったく演奏体験を持たない人もいるかもしれないし、難しい曲を練習している時間がない、という実際的なものです。そういうものではなくて、誰でも(というのは語弊がありますが)演奏が出来て、なおかつ別の意味で集中が必要で、そして意義深い、そういうものの方に実験音楽のエッセンスがあると思うからでもあります。しかし、まあ、どうなるかは分かりません。

 

 “実験音楽スクール”について

 何であれ──アカデミックか商業的なものは除いて──「実験音楽」はカネにならない。演奏家であれ、批評家であれ、オーガナイザーであれ、レーベル・オーナーであれ、「実験音楽」だけでメシは食えない。少なくとも日本では、それだけに関わっていて生計を立てることはほとんど不可能に思える。自分を例にあげると、私は、演奏は言わずもがな、レーベル経営の他に、コンサートを企画もするし、文章だって書いている。にも関わらず、まったく儲からなかったし、そうなる予感もない。身の回りを見ても、事情は同じだ。「金にならない」は「実験音楽」の必要条件だと言いたくなるくらいである。

 では、アメリカやヨーロッパ等ではどうか? どうやら現状は厳しそうである。以前だったら──特にヨーロッパでは──、国や市からの助成があり、それが音楽家の生活や非営利の演奏会場の運営を支え、また’フェスティヴァルも盛んであったが、多くの助成が次々に打ち切られている様子である。ヨーロッパの友人達は口々にそのことを憂えているし、いくつかの非営利組織からは助成打ち切りに反対する署名や寄付を募るメールが良く来るようになった。

 グローバルな観点からも、「実験音楽」がこれからますます斜陽産業になることは間違いない。この世界において、世間で言うところの「プロ」は極少数になるだろう。──まあ、もとよりそれは「産業」なんかではないが。

 しかし、だからと言って、実験音楽に関わることが単なる暇つぶしを超えない、とは思わない。それはもはや私にはなくてはならないものである。極端な話ではあるが、その他の音楽が地上から消え去ったとしても、それがあることによって救われる、実験音楽は私にとってそういうものなってしまった。もちろん、多くの音楽はそう簡単には消え去ったりはしない。それに、それらの音楽のおかげで実験音楽が成立している部分だってある。他のものを完全に否定する必要はまったくない。音楽に限らず、多くのものとの関係の中にこそ重要な何かがあるのではないか? ここを考えてみると、実験音楽ほど面白いものはないのである。それは一生を賭けるに値するテーマになりえる。

 しかし、正直私もお金がほしい。そこでこんな企画を考えてしまったのである。うまいぐあいに人が集まれば、多少の現金が懐にはいる。だが、うまくいかない気がしないでもない。ひとりも来ない可能性すらあると私は思っている。なにしろ「実験音楽」はカネにならないのだから。次の問題はどうやって教えるかである。結論を先に言うと、どうやっても「教える」ことは出来ない。作曲するにしても、演奏するにしても、そこで模範となるものが何なのか、それがはっきりしないからである。つまり、良し悪しの判定が難しい(あるいは、究極的には、そんなことはする必要がないとも言える)。しかもそれは「音楽」の中でだけ完結するようなものではない。最終的には自分で考えて実践するしかない。ただ長年の経験からアイデア──それは当然ある種の偏りを持つ──をいくつか提示することは出来ると思っている。それは、何もない空間に窓を作ったり、椅子や机を置いたり、電灯を灯したりするようなことかもしれない。まずはそれらによって生じる景色を足がかりにしてスクールを始めてみたい。(杉本拓)

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